大川三世代
梨と言えば、伊万里『大川三世代』

あなたに知ってほしい ~大川三世代物語~

 佐賀県伊万里市大川町は、天領大川と呼ばれ、かつては幕府の直轄地でした。
それほどに土地が肥沃で農業に適した気候風土です。ここで100年ほど前から梨の栽培が盛んになり、今では日本有数の梨の産地になっています。特にハウス栽培では日本一でもあります。

 大川町は、人口で3千余人ばかりの町ですが、うち100世帯が梨専業農家として営んでいます。しかし、農家の後継者不足は全国的に深刻な問題であり、この大川町も例外ではありませんでした。この100世帯のうち後を継いでいる世帯はなんと10世帯にすぎません。
そして、この次世代の担い手である若き農家たちには切なる想いがありました。

 毎日の農作業で真っ黒に日焼けした彼らが言うには、祖父の代より続いている梨は、自分たちの生活の糧であり、とても身近な存在だといいます。なぜ梨農家なのかと聞くと、「そこに梨があったからです。ただそれだけです。しかし、継いだ以上、自分たちの代で終わらせるわけにはいきません。」

 「今のままで自分の子どもたちに胸を張って、梨作りを続けて欲しい、継いで欲しいとは言えません。でも、今のままでは今のままです。何とかしなくてはと思っているのですが。」

 長い歴史を持つ大事なふるさとの梨を守り、受け継いでいくために彼らは自分たちで、「大川三世代」という新たなブランドをつくり、直接お客様へお届けし、直接喜びの声を伺うという通信販売をスタートさせました。リーダーは田代慎仁さん。彼らの熱い想いが様々な人の心を動かし、実現に導きました。地元の企業が無償で商品の箱やホームページ、受注システムをつくってくれたのです。

 新しいことを始めるのはとても勇気がいることで、非難されたり、批判的な態度をされたりすることもあります。ただ、彼らは非常に生き生きとしています。それは夢をもっているからです。いつか大川三世代を日本一の地域ブランド商品にし、たくさんのお客様に「おいしさ」という感動を与えたいという夢です。

 いま、梨の収穫期を迎え、日中は果樹園で収穫・箱詰め作業に追われ、夜はこのブランドの受注・発送作業で大忙しです。慣れないパソコン操作も眠い目をこすりながらです。 ですが、そんな彼らの瞳には一点の曇りもありません。